価値の変質 (2)
根回しの達人と廊下トンビ 管理職に求められるものは調整能力。私の先輩から何度も言われた言葉です。仕事は部下に任せて、自分は担当している案件に“けち”がつかないよう、社内調整を抜かりなく進めることに専念する。 先輩が言わんとしていることは理解できました。事実、私が若い頃の管理職は根回しの上手な人が多かったと思います。根回しが上手かったから管理職になれた、と言った方が適しているのかもしれません。 当時、諸々の案件の承認・否認を決するのは、常任役員会でした。管理職は、役員会の前に各役員を回り、余計な質問が出ないように事前説明方々、案件を承認してもらうように働きかけることが習わしとなっていました。 案…